とんかつQ&A「軽自動車」

Q.


いつも楽しく拝見しております。最近家族が増えそうな予感もあり、妻と2人で車の購入を考えている36歳会社員です。都内在住ということもあり、この年まであまり車を運転してこなかったんですが、調べてみると購入金額や燃費、維持費においては普通車より軽自動車の方が断然安いんですね。「気軽に使えそうだし軽にしたら」という妻からのススメもあり、軽自動車に傾いているのですが、様々な分野に詳しいロースおじさんに、オススメの軽自動車を紹介していただければと思っております。自分的にはスズキのハスラーが好みです。こんな車で家族を旅行に連れていけたらステキだと思いませんか!



お名前:鉄太郎さん

A


軽自動車には当然メリットもたくさんあるけど、高速道路を運転して旅行に行くことをメイン用途の一つとして考えとるんなら、やめといた方がええんやないの? 軽自動車は排気量が小さい分、スピードを出す時にエンジンをフル回転させなあかんから(レンタカーの軽乗ると90kmでアクセルベタ踏みなんて珍しくないよね)、その分ガソリンも浪費して燃費が逆に悪くなっちゃうんよね。そして車体が軽い分、80km以上にスピードが上がると車体はガタつくし、ステアリングも安定しなくなって、制御するのにかなーり疲れるんよ。旅行のたびに目・肩・腰がバッキバキになる逆アリナミンEX状態に陥ること必至やで。
 
 
この辺りは車好きの人にとっては言わずもがなの常識なんやけど、運転経験が少ない人だと「走れば何でもいい」と思って、値段や維持費の安い軽自動車に惹かれがちになるんよね。でもちょっと離れたイオンモールに行く程度なら、小回りが利いて駐車もしやすい軽の方が有利な場面はたくさんあるから、結局は「何を捨てて何をとるか?」っていう選択の問題や。
 
 
一番考えといて欲しいんは、軽は車体が軽い分だけ交通事故で衝突した時のエネルギーが自分にたくさん跳ね返ってくるってこと。例えばおじさんが子供さんの給食を満載にした運搬トラックに、「ソフトめん分けてちょ〜!」ってヨダレを流しながらぶち当たっていっても、トラック側のスピードを弱めることは全然できんけど、おじさんは自分より重い相手とぶつかった衝撃をまともに吸収して、遥かロシアのイルクーツクまで吹き飛んでいくやろ。そしてこの世で唯一の「意義ある死」を迎える。
 
 
おじさんは別にそれでもええんやけど、軽自動車が自分より重い普通車やトラックと衝突した場合、「衝突の衝撃」+「相手の重さに押し出されるエネルギー」をもろに食らっちゃうから、結果が悲惨になりやすいんよね。交通安全環境研究所っていう独立行政法人の研究によると、軽自動車の事故の約25%が死亡または重傷事故になるっていう調査結果も出とるようやし(その他の車種では5%ほど)、万が一事故った時に損害がより拡大するのが軽自動車であることは間違いないようや。
 
 
そういう諸々のデメリットを家族にもきちんと説明した上で、それでも晴れて軽のメリットを享受したいと思った時こそ購入に踏み切ったらええんやないかな? おじさんがいつも移動に使っとるJD Razorのキックボードも、防御のことは全く考えとらん。「スマブラX」のキャラで言えば、フォックス並みの紙装甲や。今日はこいつを駆って、おじさんの死の天使である給食運搬車をできるとこまで追いかけてみるつもりやねん。せいいっぱい頑張れば運転手さんがきっと投げつけてきてくれると思うんよね、ソフトめん。















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