とんかつQ&A「少数派」

Q.
 

最近観た映画がかなりイマイチでした。Twitterのタイムラインが絶賛コメントでうめつくされててハードル上がりまくりだったんでがっかりです。正直に「説教臭くてつまんなかった」と書きたいけど人気に逆らうヒネクレものみたいに思われそうだし、見ず知らずの信者に晒しあげられそうでモヤモヤします!!! 僕の感覚がおかしいんですか!? 助けてロースおじさん!!



お名前:地黒パンダさん





A




あーい。ロースおじさんやで。


言っちゃ悪いけど「人気に逆らうヒネクレものみたいに思われそう」ってキミ実際そうやない? 映画化されると原作小説買えなくなるタイプじゃない? 知らんけど。もちろん「つまらなかった」って判断自体はストレートな感情なんやろうけど、そのあと「ヒネクレものだと思われそう」とか「信者に晒されそう」とか先回りして考えちゃってる思考回路が、まさにヒネクレもののメンタルよ。ま、ヒネクレた性格は人生のアクセントやし、おじさんの精巣捻転に比べたらケツのイボみたいなもんやで。
 
 
問題は地黒パンダさんが、何のせいでモヤモヤしてるかよね。この原因を見誤ると、あさっての方向にヘイトをばらまいてモノホンの恨みを一括購入してしまうからね。おじさん思うんやけど、モヤモヤの原因は映画の内容でも祭り上げてる信者さんでもなくて、状況を作ってる構造そのものやない? つまりね、評価が9:1くらいで対立するときに必ず誰かが抱えるモヤモヤなんよ、これ。ジョーカー引いてもうたんよ。後ろにボンビー張り付いとるんよ。
 
 
好きなものについて語るのが楽しいのは、ヒトの感じ方や考え方がそれぞれ違うのに、なぜか誰かと感情を分かちあえるすごい偶然のおかげや。おじさんがグーペの宣伝もせず小4情報を発信し続けてるのも、地球のどこかの同類が共鳴してくれるのを思ってなとこあるし。だから好みの一致って基本的に「奇跡」なんよ。ただ、その規模が大きくなりすぎるとそれが当たり前になってくるんよね。同類だけで構成された共同体、通称「キセキの世代」が誕生するんや。差別や偏見に繋がるのならまだマイノリティ側は倫理的に反論できるけど、このキセキの世代は基本的に「イイね!」を共有してるだけやから責めることもできず、外野にはモヤモヤが残るってわけ。
 
 
この構図ができあがってしまうのは、ヒトという生き物の習性やからどうしようもないのかもしれん。でも、モヤモヤの仕組みがある程度分かってれば無闇にイラつくことは減るし、冷静になれるんやないかな? これを意識せずに批判すると、文句の矛先が作品を楽しむコミュニティそのものに及んで、いらぬ反発を招きがちや。作品に向き合った批判なら受け入れられると思うで。
 
 
そうそう、そんなマジョリティとマイノリティの対立の構造を、いま公開中の映画『ズートピア』はエグいくらい正確に描いてくれてるで! うさぎの警察官「ジュディ」とキツネの詐欺師「ニック」が事件捜査に挑むんやけど、脚本もテーマも映像も高水準でオススメ! ライムスター宇多丸も「あまりにも欠点がない」って言ってた! 最高ッ! 冒頭に出てくる小4(推定)のジュディちゃん最高ッ!! 観ないと損ッッ!!